従業員がいても一人親方になる!
一人親方とは、従業員を雇わずに事業を運営する事業主を指します。親方という呼び方からイメージされるように、一般的に建設業・林業に用いられます。
自分ひとりで事業を行っている建設業者はもちろんですが、短期のパートを雇用しているパターンや、家族経営の場合も、一人親方に当てはまります。
例1)専門的な仕事・交渉は全て親方本人が行うが、経理や事務のみ週2回アルバイトに来てもらっている。
例2)親方とその妻、同居している息子で事業を行っている。
労災保険は従業員の怪我や事故といった万が一のため、加入が義務付けられています。ですが、経営者は労災保険の適用範囲外となるため、保険に入りたいのであれば、別の保険に加入する必要が出てきます。
そこで、一人親方労災保険特別加入制度(以下、一人親方労災保険)を国が認めています。建設業など、事故の危険性のある個人事業主がこれに加入することができます。
とはいえ、個人事業を営んでいる方々全般がそうであるように、不要な経費は出来る限り削減したいものです。自分自身のリスク管理に自信のある親方や、特定の時期にしか現場作業を行わない場合など、決して安くはない保険料を払うことに抵抗のある人もいるかもしれません。
しかし、一人親方労災保険には、親方本人のためだけでなく、もう一つの重要な側面があります。
それは、元請け側の安心感です。仕事をお願いする側からすると、現場に入る一人親方が、一人親方労災保険に加入しているのとしていないのとでは、やはり前者のほうが安心して仕事をお願いできます。
こうした相手側との関係においても、一人親方労災保険への加入が重要性を持っているのです。